2016年度第2回(通算122回)研究会のお知らせ

アート・ドキュメンテーション学会関西地区部会
2015年度第2回(通算122回)研究会のお知らせ

下記の通り、第5回 知識・芸術・文化情報学研究会を実施しますので、奮ってご参加ください。

第5回「知識・芸術・文化情報学研究会」 開催案内

日時:2016年2月6日(土) 13:00受付開始

会場:立命館大阪梅田キャンパス(大阪梅田駅前)

〒530-0018 大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル5階

アクセス

http://www.ritsumei.jp/accessmap/accessmap_office_osaka_j.html

主催:知識・芸術・文化情報学研究会

共催:情報知識学会関西部会、アート・ドキュメンテーション学会関西地区部会

協力:立命館大学アート・リサーチセンター 文部科学省共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点」

プログラム

13:00 受付開始

13:30 開会挨拶

13:35 発表1「古典籍の成立に関する情報を記述する書誌情報の枠組み」

吉賀夏子(佐賀大学大学院工学系研究科システム創成科学専攻)

14:00 発表2「テキストマイニングを利用した日本文学作品の研究

―川端康成の直喩表現について―」

常木佳奈(立命館大学大学院文学研究科博士課程前期課程2回生)

14:25 休憩

14:40 発表3「災害・防災記事情報提供のための検索システムの構築」

藤原史一(和歌山大学システム工学部)、硲石浩文(和歌山大学

大学院システム工学研究科)

15:05 発表4「訓点資料におけるデジタルアーカイブシステムの構築

―翻刻支援とデータベース管理を中心に―」

田中勝(和歌山大学大学院システム工学研究科)

15:30 休憩

15:45 発表5「極東の視座からの和刻本漢籍画像データベースの構想」

李増先(立命館大学衣笠総合研究機構)

16:10 発表6「身装画像データベース<近代日本の身装文化>を読む」

高橋晴子(国立民族学博物館 民族社会研究部 外来研究員)

16:35 閉会挨拶

17:15 懇親会

参加申し込み方法

2016年1月31日(日)までに、氏名・所属を明記の上、kacimeeting+2016(at)gmail.com 宛に子メールで申し込むこと(※ (at) を @ に変えてください)。

研究会参加費(500円)を当日徴収します。

※研究発表会後に懇親会を予定しています。大学や分野の枠を超えた交流の場にしたいと思いますので、あわせてご参加ください。(会場・会費等は、決まり次第ご案内します。)

発表要旨

発表1「古典籍の成立に関する情報を記述する書誌情報の枠組み」

吉賀夏子(佐賀大学大学院工学系研究科システム創成科学専攻)

書籍であるとともに文化財の側面を持つ古典籍の研究では、本の内容に加え、本の成立に関係する人、時間、場所等の周辺情報を多角的に分析する必要がある。多くの書誌情報では、こうした情報は注記というデータ化されていない部分に記載されている。本研究では、作品を部品化し、部品ごとの書誌情報を取得可能にすることで、周辺情報を容易に取得可能な書誌記述の枠組みを提案する。

発表2「テキストマイニングを利用した日本文学作品の研究―川端康成の直喩表現について―」

常木佳奈(立命館大学大学院文学研究科博士課程前期課程2回生)

川端康成は日本人初のノーベル文学賞受賞者であり、その作品は国内外で高い評価を得ている。先行研究において、川端が直喩表現を多用することは既に明らかにされているが、その特徴や効果についての研究は十分になされていない。本発表では、川端の中長編小説における「の+やう」で表される直喩表現を対象に、テキストマイニング手法を用いて、執筆時期を通じた直喩表現量の分布、喩詞・被喩詞の特徴とその関係を明らかにする。

発表3「災害・防災記事情報提供のための検索システムの構築」

藤原史一(和歌山大学システム工学部)、硲石浩文(和歌山大学大学院システム工学研究科)

Web上には防災・減災に関するブログ記事が多数存在する.しかしそれら記事の内容はタイトルからでは読み取ることが困難な場合があり,効率的な情報獲得のための仕組みが求められている.本研究では,収集したブログ記事をもとに,公開された年月や,記事本文の語句より得られる災害名などと関連付け,全文検索や情報推薦を行うシステムの開発に取り組んでいるので報告する.

発表4「訓点資料におけるデジタルアーカイブシステムの構築―翻刻支援とデータベース管理を中心に―」

田中勝(和歌山大学大学院システム工学研究科)

訓点資料の解読支援環境の確立を目指して研究に取り組んでいる.対象とする資料は手書き文字であり,書写後に漢文訓読のためヲコト点などの訓点が書き加えられている.そのような資料画像を翻刻するために,文字および訓点を,画像における文字領域や点座標として取り扱うこととし,支援システムの開発を行ってきた.今回,構築したシステムおよびデータベースの概要,また,実装した入力インターフェイスについて報告する.

発表5「極東の視座からの和刻本漢籍画像データベースの構想」

李増先(立命館大学衣笠総合研究機構)

広義的な「漢籍」とは漢字で書かれた書物のことだが、本邦で出版された漢籍のことを「和刻本漢籍」と言う。旧時、本邦が数多くの和刻本を出版し、それらは「漢字文化圏」の中で広く受容されていたことは近年の研究で明らかになった。本発表は1880年代中国大陸に滞在した英国外交官の収集した和刻本漢籍コレクションを切り口に、その価値を明らかにすると共に、海外に散在する和刻本漢籍の画像データベース構築の可能性を検討する。

発表6「身装画像データベース<近代日本の身装文化>を読む」

高橋晴子(国立民族学博物館 民族社会研究部 外来研究員)

本発表は、明治維新以降、約80年間における日本人の「身装―身体と装い」に関する文化変容のデータベース化について、その過程において見いだされた課題等を検討するものである。本身装画像データベース<近代日本の身装文化>は、新聞・雑誌の小説挿絵、写真、図書中の図版など、約7000枚の画像と詳細なメタデータ、ならびに参考ノートで構成されており、各年の衣生活の様子を具体的に捉えることができる。とくに、小説挿絵の信憑性に焦点をあてながら、画像中のモノとコトガラから読み取れる文化変容の実態について考える。