2008年度年次大会 シンポジウム「物語るアート・ドキュメンテーション」

■開催概要

情報は随時更新します
2008.04.03 公開/ 2008.05.02 更新

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アート・ドキュメンテーション学会2008年度年次大会
2008 Annual Conference of JADS: Japan Art Documentation Society

シンポジウム
物語るアート・ドキュメンテーション
'Narratives in Art Documentation'

アート・ドキュメンテーションはこれまで 絵画や彫刻など静的なオブジェクトを 対象としてきた。 一方で 時間や動きを伴う芸術や、 コンテキストや物語を孕む芸術に、 ドキュメンテーションはどう応じるのだろうか。 「物語る」は 「モノ」と「語る」 に読み解くことができる。 「モノ」は記述され「コト」を語り、 「コト」は記録され「モノ」に新たな意味を与える。
様々な芸術の形態として 絵画、マンガ、演劇・映画、舞踊、写し絵を取りあげ、 静と動、モノとコトの関係性を比較・検証しながら “物語るアート・ドキュメンテーション”を考える。

主 催:アート・ドキュメンテーション学会
共 催:京都国際マンガミュージアム
後 援:京都精華大学、京都市教育委員会
会 場:京都国際マンガミュージアム 多目的映像ホール

7日(土)シンポジウム[第58回研究会]13:00-
8日(日)公募研究発表会[第59回研究会]10:00-
      第19回(2008年度)総会
      京都国際マンガミュージアム施設見学会[第43回見学会]

6月7日(土)13:00-17:30 [開場は30分前から]
シンポジウム「物語るアート・ドキュメンテーション」
○会場館挨拶 上田修三(京都国際マンガミュージアム 事務局長)
○基調講演  「イメージとテクストの交感:歴史的事例から見るアート・ドキュメンテーション」 /鷲見洋一(アート・ドキュメンテーション学会会長)

○ブリーフ・イントロダクション 「物語るアート・ドキュメンテーション」のために /水谷長志(独立行政法人国立美術館情報企画室長)

○趣旨説明・パネリスト紹介 /山本浩幾(早稲田大学演劇博物館)

「物語る美術作品のドキュメンテーション:一西洋美術史研究者の立場から」 /千速敏男(成安造形大学造形学部准教授)
第1回アート・ドキュメンテーション研究フォーラム(1995年)では、美術史学とい う活動の出発点となる美術作品の作品記述とドキュメンテーションとの関係につい て論じ、西洋の美術史学のなかで培われてきた「iconography(図像誌)」という方法 論がアート・ドキュメンテーションに寄与することを明らかにしました。しかし、 19世紀以降の、いわゆる「近代絵画」や「現代アート」の領域においては、あるい はまた映画や漫画といった20世紀に新たに生まれたマス・カルチャーの所産に目を 向けるとき、iconographyという方法論の限界もあらわになってきます。そこで、 今日の多彩な造形活動を視野に入れ、西洋美術史を研究している立場から「物語る (narrative)」美術作品のドキュメンテーションの可能性について論じたいと思います。

「非/アートとしてのマンガの収集・保存・公開に関する諸課題―京都国際マンガミュージアムの研究活動を通じて」 /吉村和真(京都国際マンガミュージアム、京都精華大学国際マンガ研究センター 研究統括室長、京都精華大学マンガ学部准教授)
2006年11月、京都市と京都精華大学の共同事業として、京都国際マンガミュージア ムが開館した。現在の蔵書数は約20万点。2008年度末までに約30万点を目指す当館 には、しばしば寄贈の申し入れがある。コレクター、研究者、出版関係者、愛読者、 一読者と、その立場はさまざまで、ジャンルや年代も十人十色である。また、館内 廊下にしつらえた「マンガの壁」に並ぶ約5万冊の開架図書も、貸本屋からの寄贈で 成り立っている。本報告では、このような状況にある当館から見た、マンガの収集・ 保存・公開が抱える課題や今後の可能性について考えたい。それは、非/アートとし てのマンガの存在意義に思いを巡らすことになるだろう。

「(財)松竹大谷図書館の資料整理方法について」 /井川繭子(財団法人松竹大谷図書館司書)
(財)松竹大谷図書館は昭和33年の開館以来、演劇・映画の専門図書館として、資料 の収集と公開を行ってきた。演劇・映画に関する図書、雑誌のほか台本、スチール写 真、各劇場のプログラム、ポスターなど現在約39万点に及ぶ所蔵資料は、開館時に 設定した資料分類法によって整理されている。平成16年から図書館管理システムを 導入し、コンピュータによる資料の登録を開始したが、多種多様な資料を整理する ために様々な工夫を行っている。今回は図書館の紹介と資料の整理方法、また図書 館管理システムへの移行による問題点、さらに、日常業務の中でのデータベース作 成と活用法などについて述べたい。

「3次元モデルを用いた伝統舞踊アーカイブ」 /片山美和(NHK放送技術研究所 人間・情報 三次元映像処理研究グループ 専任研究員)
私たちの研究グループでは、被写体を取り囲むように配置した40台のカメラで撮影 した映像から、被写体の3次元映像を生成する研究を行っています。同時に撮影され た複数のカメラの映像から被写体の3次元モデルを生成します。一度モデルが生成さ れるとカメラ位置にない視点からの映像も生成することができるようになります。 紹介するシステムでは、背景や音声再生を同期させ、能のシーンを表示します。ユ ーザーは、コントローラーにより好きなアングルから映像を見ることができます。 報告では撮影から表示までの技術概要と3次元モデルを用いた他のアプリケーション の紹介、その他好きな視点で見ることのできるシステムの紹介をします。

「写し絵を成立させた江戸の政治と文化」 /山形文雄(劇団みんわ座代表 「写し絵師 平成玉川文楽」)・田中佑子(劇団みんわ座美術・写し絵研究)
「写し絵」は南蛮渡来のマジックランタンを、日本独自に改良、発展させたものです。 その映像表現には日本独自の美学が投影されていています。現在、アニメ大国とな った日本のその源を、江戸時代の日本絵画様式や、手法、日本人の感性などの視点 から探ってみます。20年間写し絵を調査し、器材の復元と上演を続けてきた中で感 じた事、研究の課題などを紹介します。

パネルディスカッション

■懇親会(18:00-) ハートンホテル京都 >google map

6月8日(日)10:00-15:30 [開場は30分前から]
■公募研究発表会
○[10:00-10:25](発表1) 「東京国立博物館資料館における資料情報の整備と提供」  /住広昭子(東京国立博物館学芸企画部博物館情報課図書・映像サービス室)
  国立博物館資料館は、明治5年の文部省博物館創設以来蓄積してきた、文献、写真資料等を広く一般に公開するための施設として昭和59(1984)年に開館し、来年で25周年を迎える。昨年は図書館システムによる新OPACを公開し、ALC(美術図書館連絡会)による美術図書館横断検索にも参加した。今回は、開館以来の資料整備と情報提供の歩みを、図書資料を中心として、特色あるコレクションを紹介しながら振り返り、今後のサービスの展開についても触れる。

○[10:25-10:50] (発表2) 「近現代儀礼研究とドキュメンテーション−岩倉具視の国葬に関する図巻・写真・文書の統合的研究」  /研谷紀夫(東京大学大学院情報学環)  
 本発表では近代期の儀礼研究を目的として、岩倉具視の国葬に関する図巻、写真、公文書を取り上げ、それらを汎用的メタデータと統制用語で結びつけ、和洋の様式が重なる近代儀礼がどのように形成されたかを考察する。

○[10:50-11:15](発表3) 「「図像デジタル・アーカイブ」の課題―日本大学総合学術情報センターの実践から」  /中川裕美(日本大学総合学術情報センター)  
 本発表では「図像」を素材とした研究デジタル・アーカイブの現状と、今後の課題について、発表者が日本大学総合学術情報センター「デジタルミュージアム研究プロジェクト」での実践から得た知見をもとに考察する。結論としては、図像アーカイブにおいては「図像から何を読み取るか」に作成機関の理念が現れること、従って、検索索引制作にあたっては文字中心のアーカイブとは異なる独自の項目作成が求められること、を指摘したい。

○[11:15-11:40](発表4) 「地域ミュージアムの課題と解決策の方向性−収蔵品管理システム導入館インタビューより」  /内田剛史(早稲田システム開発株式会社)  
 当社は博物館収蔵品管理システムの専門業者である。最近2年ほどかけて、全国のユーザ・インタビューを実施し、50館のインタビューを2冊の冊子にまとめた。これらの冊子には、収蔵品のデータベースを作っていく上での「苦労話集」という側面が色濃く出ており、このような現場の声の集積をアート・ドキュメンテーション学会に提供していくことが、何かのお役にたつのではないかと思い、報告させていただくことにした。

○[11:40-12:05](発表5) 「MLA+E試論−独立行政法人国立美術館における情報〈連携〉再論」  /水谷長志(独立行政法人国立美術館情報企画室/東京国立近代美術館情報資料室)  
 周知の通りMLA連携はアート・ドキュメンテーションの一貫したテーマであるが、特に情報〈連携〉の視点から独法国立美術館の情報資源を見直し、EすなわちEVENTとしてのExhibitionを第四の要素としてMLAの〈連携〉構造に架橋することの意義を近現代美術のフィールドから提案する。

12:05-12:15 休憩
12:15-13:30  総会
13:30-14:30 休憩
14:30-15:30  京都国際マンガミュージアム施設見学会


【交通】
京都国際マンガミュージアム
http://www.kyotomm.com/
〒604-0846 京都市中京区烏丸通御池上ル (元龍池小学校) >google map
京都市営地下鉄烏丸線・地下鉄東西線 「烏丸御池」駅 2番出口すぐ
京都市バス(15、51、65系統) 京都バス(61、62、63系統) いずれも「烏丸御池」停留所下車すぐ

【参加費】
JADS会員 1000円、一般 2000円 /京都精華大学生 500円 (いずれも大会資料代、土日両日の常設展・特別展入場料を含む)
(懇親会費は別途 5000円となります)

【詳細および申込み】
アート・ドキュメンテーション学会 http://www.jads.org/
>>参加申込
>>研究発表公募